2015.05.22 FUJIFILM

FUJINON Speed Lens "伝説の復活" #4

“FUJINON Speed Lens”伝説の復活の第4回である。
換算焦点距離からすると、“FUJINON 10cm F2″のRebirthは、XF60mmF2.4 RかXF56mmF1.2 Rが近い。しかし、使い勝手等を考えると、正統後継者は先般発表したXF90mmF2 R LM WRかもしれない。
“FUJINON 10cm F2″が発表された1956年、そして本レンズは2015年。実に60年の時を経ている。その間に、ショット数の増大と、プライバシー保護の観点は、写真の撮り方を大きく変えた。端的に言うと、”ハードとしてはシャッターを切りやすく、ソフトとしては切りにくくなった”
撮影の前後で必ず、被写体とのコミュニケーションがとれていなければならない。結果、フレーミング内の取捨選択は厳しくなる。つまり同目的のために使われる画角は狭くなってきている。
XF90mmF2 R LM WRは換算焦点距離137mm。
若干テレ寄りになっているほうが、60年前の10cm画角と同じ感覚で使えるだろう。また描写としても、35mm判の10cm画角のボケ味と同様の感覚で使える。さて使い勝手については、時代の変化をよく考慮されている。しかし、それ以上に画質的な向上は、60年の歴史以上に大きい。抜群のシャープネスと、ほぼ真円といえる美しい丸ボケ。写された被写体は、際立たせるその描写はまさに”シンデレラ・レンズ”である。